たけちよ釣りブログへようこそ。
いやー夏ですよ。
釣り好きにはたまらない季節がやってきました。
海がざわざわと騒がしいこのシーズンは釣りのターゲットも豊富で、「来週はタコ釣りがいいなぁ」
とか「今週末はチニングもいいなぁ」とか、いやいや「青物の回遊待ちジギングですよね〜」とか楽しみがいっぱいあり過ぎて、週末はついつい夜更かししがちになっちゃいますよね。
ちょっと待ってください。
大事な魚を忘れていませんか?
堤防からこの時期にしか釣る事が難しい、幻の高級魚。
アコウ、キジハタです。
アコウは夏が旬の非常に珍しい貴重な魚です。群れではなく、単体で行動する魚で根と呼ばれる岩礁帯の岩棚などの隙間にピッタリと張りついて餌を捕食するため、釣り方はピンポイントで狙うこととなります。
なかなか釣れないが、釣れたときの喜びは計り知れませんよ。
さて今回は、そんな幻の高級魚アコウ(キジハタ)を究極の刺身にしてみましたので、その時の様子を余す事なく記事にしてみました。
活け越し神経締めのやり方
活け越しって言葉の意味を知っていますか。
船を持っていらっしゃる方なら、まぁ馴染みのある言葉でしょうけども年がら年中堤防で釣りを楽しむ私のような人にはさっぱり…
「ちょっと何言ってんだか分からないなぁ」
ですよ。
神経締めはYouTubeなどでよく目にしますから、何となく魚が美味しくなるんでしょ。
このへんまでは理解していると思います。
今回、アコウ(キジハタ)が釣れたので折角だから、その謎の"活け越し"ってやつをやってみてアコウ(キジハタ)を最高の状態の"究極の刺身"にしてみようと考えました。
2〜3日生け簀で活かすが…12時間でも
船を持たない私にできることと言えば、"大きめのクーラーBOXに海水を汲んで酸素ポンプを使用して自宅に持ち帰る"ことぐらいです。
「これ大丈夫かぁ?明日浮かんでたら…」とか考えながら、自宅の玄関にアコウ(キジハタ)を放置して12時間が経過しました。(魚は朝6時にクーラーBOXへ)
夕方6時を過ぎた頃、クーラーBOXをそっと除いてみたらアコウ(キジハタ)はおとなしく元気に泳いでいました。
エラの動きも静かで酸素が充分に足りている模様。
「よし、今日食べよ」と思った私は、おとなしく元気に泳ぐアコウ(キジハタ)を台所まで運び、まな板の上へそっと置いてみました。
えっ、まったく暴れない…
体力の回復した魚は"少々のことでは暴れない"と活け締めのプロの方の動画で見たことがありましたが、本当に暴れないんですよ。驚きです。
ならば、2〜3日も活け越す必要はないのでは?
さらに食べる気満々になった私は、まさにここから神経締めを始めます。
神経締めは何度もやっているので、あっという間に血抜きまで難なく終わらせることができました。
アコウ(キジハタ)神経締めの順番
神経締めには正しい順番があり、その順番を間違えると究極の刺身にはなりません。
- 脳を壊す。
- エラ切って血抜きをする。
- ワイヤーで神経を壊す。
脳を最初に壊すことでまず動きを封じることができ、暴れて身にダメージを負わせないようにすることができます。
身のダメージは身割れの一番の原因にもなるため、必ず最初に脳を壊しましょう。
次はエラを切って血抜きをします。
脳を壊すことで自律神経すなわち"心臓の動きはずっと続きます"ので、エラを切り心臓の自然な動き(ポンプ)を利用して筋肉の隅々まで通う毛細血管から血を抜くこうができます。
手間(下)から2番目のエラが一番血が良く出るとプロの方が言っていました。私もやりましたが"ぞっとする"ぐらい出ますので、こういう事が苦手な方はやらないことをおすすめします。
エラを切ったアコウ(キジハタ)は素早く"水を張った容器へ入れて"血が固まるにくい状態で血抜きをしていきます。
血抜きが終わったら最後にワイヤーを使用して、神経を壊して(抜いて)神経締めの完了です。
脳を壊すポイント
私はアイスピックを愛用しています。
神経締めをあっさりと成功させるには、脳を壊すときに開ける穴の大きさや角度がとても重要になります。
穴の角度は魚の正面両目のやや上あたりから、脳とその先にある背骨(中骨)に対して45°ぐらいでアイスピック等を入れがちですが、ワイヤーが神経にすんなり入りやすい角度は"水平15°〜20°ぐらいの角度です。
アイスピック等の太さは、3〜5ミリ程度のものが脳に穴を開けやすく、しかも脳をしっかり破壊しやすいです。
穴を開ける場所(皮の表面)にアイスピックの先端で少し傷をつけるとピックの先端が滑りにくくなり、力が入れやすくなりますよ。
同時に魚が地面やまな板の上で滑らないように、下に濡れたタオルなどを敷くと作業がさらにしやすくなります。
右利きなら魚の頭は右向きで腹側をこちらにして、左利きならその逆で作業すると良いです。
血抜きのポイント
- 血抜きのポイントは心臓に傷をつけないこと。
- 一番太い血管を一箇所だけ切ること。
- 水の中につけること。
魚は脳が死滅後、自律神経はしばらくの間機能していて、血圧の低下とともに心臓の動きもやがて止まります。
血液を供給するポンプの役割でもある、心臓を傷つけてしまうと"心臓の動きがすぐに止まってしまい"血抜きがうまくできません。
次にエラの白い膜の部分、背骨に近いところの太い血管に一箇所だけ切ります。(初心者の方はこのやり方よりも"エラの2番目をハサミで切る"やり方がおすすめです。)動画にやり方が詳しくあります。↓
こうすることで急激な血圧低下が防げ、"長く血抜きができる"ため筋肉の隅々に走る毛細血管までしっかりと血抜きができるというわけです。
最後にエラを切った魚を水の中につけることで、血液が固まるのを防ぐことができます。
さらにプラスして水の中で切った傷口を指で少し触ったり、魚を水の中で尾ビレを掴んで優しく揺らしたりすることで血抜きがスムーズにおこなえます。
ワイヤーを入れるコツ
エラが"白っぽく"なれば血抜き完了です。
脳を壊すとき同様に滑らないように濡れタオルの上に魚を置いて、ワイヤーを脳を壊した穴から神経に向かって入れていきます。
ワイヤーを入れるコツは、"魚がビクッと動く場所"を探してその場所から背骨に対して水平に入れるイメージで力は入れずに魚がビクビク動くところを"優しくワイヤーで押して入れていく"ことです。
魚ビクッと動き口がポッカリ開けば大成功。あとは道成にワイヤーをスゥーと押していくだけです。
魚の尾ビレの付け根までしっかりワイヤーを通して、ワイヤーを"前後に数回動かして"神経をしっかり破壊(抜き)してください。
アコウ(キジハタ)究極の刺身の作り方|切り方|盛り付け方
アコウ(キジハタ)を活け越してから神経締め、血抜きをしっかりしたものは、まさに"究極の刺身"です。
"歯応え、身の弾力、味、"まったく別次元の刺身の旨さに感動しました。
アコウ(キジハタ)は薄造りが定番ですが、ご家庭ではおそらく難しいと思います。板前さん達ほどの技術があれば難なく綺麗に引くことができるでしょう。
しかし、今回の究極の刺身に限っては、はっきり言ってアコウ(キジハタ)は薄く引く定番の切り方よりも"贅沢な厚めの切り方"の方が見栄えも良く盛り付けられ、しかも歯応えも楽しめて刺身の味もしっかり味わうことができるため、私はこちらをおすすめします。
究極の刺身は身割れはしないので、厚めに削ぎ切りで"魚の繊維を断ち切るように"繊維に対して垂直に包丁を入れて切り落としてください。
盛り付け方も器全体に広げる盛り付けよりも、刺身を"1/3ほど畳みながら一枚一枚重ねて立体的に"動きのある盛り付け方が見栄えしますよ。
刺身の繊維の方向は身の左と右で対照的に斜めに入っていて、刺身の側面を確認するとすぐにわかりますよ。
おわりに
「アコウ(キジハタ)を究極の刺身にする方法!活け越し神経締め!」のやり方について、食べた感想なども含めてご紹介させていただきました。
アコウ(キジハタ)の値段やキロ単価とは?幻の高級魚の相場価格! - Taketiyo釣りブログ
神経締めは昔から良くやっていましたが、活け越してからの神経締めは初めてだったので、最高の状態の究極の刺身の味にすっかり魅了されてしまいました。
是非、アコウ(キジハタ)が釣れた際は今回の記事を参考に"夏の熱い日の夜の肴に"酢醤油、赤おろし、小ネギと共に究極のアコウ(キジハタ)の刺身を堪能してみてください。
それでは、最後まで読んでいただきありがとうございました。